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第23回看板製作雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社ハリケーンマスター、更新担当の中西です。

 

~看板製作という仕事の本質~

 

街を歩いていて、まず目に入るもの。
それは建物そのものよりも“看板”かもしれません。

カフェの木製サイン、夜の交差点で光るネオン、企業ロゴが誇らしげに掲げられた社屋サイン。
看板は「建物の顔」であり、「第一印象」を決める重要な要素です。

今回は、そんな“看板製作”の世界を、企画・デザイン・施工の三方向から深く掘り下げます。


1. 看板は“無言の営業マン”

看板の役割は、単に「店の名前を出す」ことではありません。
人が何気なく見て、「どんな雰囲気のお店なのか」「信頼できそうか」「入りやすいか」
そうした感情を数秒で伝えるのが看板の力です。

つまり、看板とは“24時間働く営業マン”。
しかも、言葉を使わずに印象を届ける“非言語コミュニケーション”の道具なんです。


✏️2. デザインの出発点は「誰に伝えたいか」

看板製作の第一歩は、ヒアリングです。
お客様の業種、立地、ターゲット層、競合環境などを丁寧に把握します。

たとえば――
・住宅街の美容室なら「柔らかさ」や「親しみ」
・オフィス街の弁護士事務所なら「信頼感」や「品格」
・工場や倉庫なら「機能性」や「視認性」

伝えたい印象によって、フォント・素材・配色・照明まで全て変わります。

デザインは“美しさ”ではなく、“伝達の設計”なのです。


3. 素材と質感の選定

看板の命は素材選びにあります。
主な素材には以下のようなものがあります

素材 特徴 用途
アルミ複合板 軽量で加工しやすい 壁面・袖看板
ステンレス 高級感・耐久性抜群 企業サイン・外壁ロゴ
アクリル 光透過性があり演出力◎ 内照式看板・入口サイン
木材 温もりと個性 カフェ・美容室・宿泊施設
LEDモジュール 長寿命・省エネ 夜間照明・電飾看板

同じロゴでも、素材と表面仕上げで印象はまったく変わります。
“触感で伝えるデザイン”が、プロの仕事です。


4. 製作の流れ

看板が完成するまでには、数多くの工程があります。

1️⃣ 打合せ・現地調査
2️⃣ デザイン提案・修正
3️⃣ 版下データ作成(Illustratorなど)
4️⃣ カッティング・出力・加工
5️⃣ 立体成形・塗装・電装組み込み
6️⃣ 現場取付・照明調整

この中で最も大事なのは、デザインと現場の整合性
設計図面通りに取り付けられなければ意味がありません。
だからこそ、製作スタッフと施工チームの連携が命です。


⚡5. 看板の“安全性”

屋外看板は、風・雨・紫外線・地震などあらゆる自然環境に晒されます。
そのため、構造設計や強度計算も重要。

ボルト固定、アンカー深さ、重量バランス、電気配線保護…。
一つでも欠ければ事故につながります。
「見た目が良い」だけでは終わらない、“安全設計の美学”がそこにあります。


6. 看板が街をつくる

街並みを形づくるのは建物だけではありません。
看板のデザイン統一や明るさのバランスは、その地域の雰囲気を左右します。

例えば京都の町家では「控えめな木製サイン」
東京・渋谷では「光と動きの演出」
それぞれに“街のルール”と“文化”があります。

看板は、単なる広告ではなく“街との対話”。
その土地らしさを大切にすることが、良い看板づくりの第一歩です。


7. まとめ

看板製作は、デザイン・工学・心理・美学のすべてが詰まった総合芸術です。
そこには「伝える力」と「守る力」、そして「街への想い」が込められています。

たった一枚の看板が、人の足を止め、心を動かす。
それがこの仕事の何よりの魅力です。

 

 

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