オフィシャルブログ

月別アーカイブ: 2025年6月

第14回看板製作雑学講座

皆さんこんにちは!

 

株式会社ハリケーンマスター、更新担当の中西です。

 

 

 

看板デザインの世界〜伝える力、惹きつける力を最大化せよ!〜

今回は、看板製作における“デザイン”の重要性と、その考え方、そして実際にどのように進化しているのかについてお話しします。

■ 看板は「広告」であり「空間デザイン」

 

まず前提として、看板は単なる“文字の板”ではありません。

通行人やドライバー、訪問客が目にする、企業や店舗の「顔」であり「メディア」であり「無言の営業マン」でもあります。

だからこそ、次の2つの要素が非常に重要です。

  1. 伝える力(情報整理・視認性)

  2. 惹きつける力(印象形成・ブランディング)

 

■ 伝えるデザイン:視認性が命!

まず大前提として、「読めない」「目に入らない」看板は、どれだけ美しくても“失敗”です。だからこそ、視認性の確保が最優先。

● ポイントは「3秒ルール」

人は歩きながら・運転しながらでも、3秒以内に内容が理解できる看板に反応します。そのためには…

  • 文字数を絞る(10文字以内がベスト)

  • フォントは太く、可読性重視(装飾よりも明瞭さ)

  • 色彩はコントラスト重視(黒×白、赤×白など)

 

● 適切なサイズと配置

  • 歩行者向けか、車両向けかでサイズが全く異なる

  • 高さ・角度・照明の有無など、設置環境に応じた調整が必要

 

■ 惹きつけるデザイン:ブランドの“世界観”を創る

視認性だけでは“伝わる”けど、“惹きつける”にはもう一歩の工夫が必要です。

● ブランドカラー・ロゴの活用

企業や店舗には「らしさ」があります。その個性を、看板の色・形・素材に落とし込むことで、「見た瞬間にその世界観が伝わる」デザインが可能になります。

● 素材と質感の工夫

  • 木材で温かみを表現する

  • ステンレスでシャープさ・信頼感を出す

  • アクリルで透明感・清潔感を演出する

このように、素材一つとっても「伝えたい印象」に直結します。

■ デジタルサイネージの台頭

 

近年は、LEDや液晶を用いた「デジタル看板(サイネージ)」が急増しています。静止画だけでなく、動画・音声・スライド表示など、より多くの情報を短時間で伝えられる強みがあります。

● デザインの柔軟性

  • 季節や時間帯で広告内容を変更可能

  • イベントやキャンペーン告知にも最適

  • 動くことで「目を引く力」が格段にアップ

ただし、動きすぎると逆効果になることもあるため、視覚疲労を考慮した「動きの質」もデザインの一部です。

■ 看板デザインのこれから:AIとデータの活用へ

 

今後、看板デザインはさらに進化していきます。

● AIによる最適配置シミュレーション

AIが通行量、視線、照度などの情報を元に、「どの場所にどんなデザインが効果的か」を自動で提案してくれる未来が見えています。

● 顧客データとの連動

例えば、スマホとの連携で「この看板を見た人の行動履歴」を解析し、最適な看板改修が可能になる、そんな時代もすぐそこに。


■ 終わりに:看板は“伝える”から“感じさせる”時代へ

 

私たち看板業界は、「モノづくり」から「コトづくり」へと変化しています。

デザインとは、ただ美しく整えるだけでなく、「その場所」「その人」「その空間」にとっての“意味”を創造する力です。

これからも、技術と感性、そして社会とのつながりを意識しながら、「記憶に残る看板」「愛される看板」をつくり続けていきましょう。

 

 

次回もお楽しみに!

apple-touch-icon.png

第13回看板製作雑学講座

皆さんこんにちは!

 

株式会社ハリケーンマスター、更新担当の中西です。

 

 

 

看板製作の“職人育成”とは?~技術と感性をつなぐ人づくりの現場~

今回は、「看板製作」という仕事の裏側に迫りながら、とくに“人材育成”という観点から、業界の今とこれからについてご紹介します。

■ 看板づくりは“人の手”が命

 

世の中にある看板は、機械で簡単にできていると思われがちですが、実は多くの場面で「人の技術」「経験」「感性」が求められる仕事です。

たとえば、以下のような工程があります。

  • デザイン設計(顧客ニーズのヒアリング・意図の可視化)

  • 材料の選定(金属・アクリル・木材など)

  • 加工・製作(カット、溶接、塗装、出力)

  • 設置施工(現場状況の把握と安全作業)

それぞれの工程にプロフェッショナルが必要であり、特に中小企業や地域密着の看板業者にとって「育成」は避けて通れないテーマです。

■ 見て覚える時代から、教えて育てる時代へ

 

昔ながらの看板業界では、「見て覚えろ」「背中を見て学べ」といった文化が根強くありました。

もちろん、現場での感覚や空気を読み取る力は今も大事です。しかし、それだけでは「若い人が育たない」「辞めてしまう」という課題もあります。

そこで現在は、以下のような“仕組みある育成”が重視されるようになっています。

● OJT(On the Job Training)+マニュアル化

現場での実地教育に加え、基本的な作業手順・道具の使い方・安全ルールなどを文書や動画で可視化。技術の伝承にバラつきがなくなります。

● CAD・Illustrator等のデジタル教育

今や看板は「手描き」だけでなく、「デジタル作業」が大前提。若手が活躍するには、Adobe IllustratorやCAD(設計ソフト)など、パソコンでのデザイン・設計スキルが必須となっています。

● 社内資格制度の導入

企業独自に、「初級看板士」「施工リーダー」などの役職名とスキルチェック項目を設定し、成長の“見える化”を行っている会社も増加中です。

■ ベテランの引退、若手の定着がカギ

 

今、業界の最前線では「世代交代」の波が押し寄せています。

特に、溶接や大型看板の取り付けなど、力と経験がものを言う現場では、ベテランの技が失われるリスクが大きくなっています。

● 技術継承のアイデア

  • ベテランの作業を動画でアーカイブ化

  • 施工手順書に“感覚の言語化”を加える

  • 若手が提案するデザインをベテランが実現する「共創体制」

このように、世代間の“橋渡し”を意識した育成が、企業の未来を支えます。

■ これからの職人は「表現者」

 

看板づくりにおいて、単に「物を作る人」ではなく、「空間や企業の魅力を引き出す表現者」としての役割が求められる時代になっています。

つまり、育成のゴールは「技能+感性+人間力」の三拍子がそろった人材。

私たちの業界は、確かな技術のうえに、新しい時代の価値観をのせて、「見る人の心に残る看板」をこれからも作っていきます。

 

 

次回もお楽しみに!

apple-touch-icon.png