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日別アーカイブ: 2025年6月18日

第13回看板製作雑学講座

皆さんこんにちは!

 

株式会社ハリケーンマスター、更新担当の中西です。

 

 

 

看板製作の“職人育成”とは?~技術と感性をつなぐ人づくりの現場~

今回は、「看板製作」という仕事の裏側に迫りながら、とくに“人材育成”という観点から、業界の今とこれからについてご紹介します。

■ 看板づくりは“人の手”が命

 

世の中にある看板は、機械で簡単にできていると思われがちですが、実は多くの場面で「人の技術」「経験」「感性」が求められる仕事です。

たとえば、以下のような工程があります。

  • デザイン設計(顧客ニーズのヒアリング・意図の可視化)

  • 材料の選定(金属・アクリル・木材など)

  • 加工・製作(カット、溶接、塗装、出力)

  • 設置施工(現場状況の把握と安全作業)

それぞれの工程にプロフェッショナルが必要であり、特に中小企業や地域密着の看板業者にとって「育成」は避けて通れないテーマです。

■ 見て覚える時代から、教えて育てる時代へ

 

昔ながらの看板業界では、「見て覚えろ」「背中を見て学べ」といった文化が根強くありました。

もちろん、現場での感覚や空気を読み取る力は今も大事です。しかし、それだけでは「若い人が育たない」「辞めてしまう」という課題もあります。

そこで現在は、以下のような“仕組みある育成”が重視されるようになっています。

● OJT(On the Job Training)+マニュアル化

現場での実地教育に加え、基本的な作業手順・道具の使い方・安全ルールなどを文書や動画で可視化。技術の伝承にバラつきがなくなります。

● CAD・Illustrator等のデジタル教育

今や看板は「手描き」だけでなく、「デジタル作業」が大前提。若手が活躍するには、Adobe IllustratorやCAD(設計ソフト)など、パソコンでのデザイン・設計スキルが必須となっています。

● 社内資格制度の導入

企業独自に、「初級看板士」「施工リーダー」などの役職名とスキルチェック項目を設定し、成長の“見える化”を行っている会社も増加中です。

■ ベテランの引退、若手の定着がカギ

 

今、業界の最前線では「世代交代」の波が押し寄せています。

特に、溶接や大型看板の取り付けなど、力と経験がものを言う現場では、ベテランの技が失われるリスクが大きくなっています。

● 技術継承のアイデア

  • ベテランの作業を動画でアーカイブ化

  • 施工手順書に“感覚の言語化”を加える

  • 若手が提案するデザインをベテランが実現する「共創体制」

このように、世代間の“橋渡し”を意識した育成が、企業の未来を支えます。

■ これからの職人は「表現者」

 

看板づくりにおいて、単に「物を作る人」ではなく、「空間や企業の魅力を引き出す表現者」としての役割が求められる時代になっています。

つまり、育成のゴールは「技能+感性+人間力」の三拍子がそろった人材。

私たちの業界は、確かな技術のうえに、新しい時代の価値観をのせて、「見る人の心に残る看板」をこれからも作っていきます。

 

 

次回もお楽しみに!

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