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月別アーカイブ: 2025年4月

第10回看板製作雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社ハリケーンマスター、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~確認事項~

ということで、今回は、看板製作における事前確認事項について、現場で必要な準備やチェックポイントを、実務者目線で深くご紹介します。

 

設計・申請・施工で“後悔しないため”に必要な準備とチェックポイント

新規開業、リニューアル、イベント告知、企業のブランド表現
看板はその場所の「顔」となる重要な要素であり、集客力や信頼感に大きな影響を与えます。

しかしながら、いざ看板を設置しようとすると、「許可が下りない」「設置できない」「目立たない」などのトラブルが発生するケースも少なくありません。

そうしたトラブルの多くは、施工前の“事前確認不足”が原因です。


✅設置場所・環境の確認

 “どこに建てるか”が全体設計を左右する

看板は設置場所によって、安全性・視認性・法令対応などが大きく異なります。

◯ 確認すべき環境要素

確認項目 内容
設置場所 屋外/屋内、壁面/屋上/地面、道路沿いか否か
周辺環境 歩行者・車両の通行量、建物との距離、電線・街路樹の有無
地盤状況 自立看板の場合は地中の配管・地耐力も要確認
建物の構造 壁面看板の場合、壁材の種類・強度・下地の確認が必要
日当たり・風向き 紫外線・風荷重による劣化や転倒リスクの評価にも影響

📌 設置環境の確認は、設計内容・素材・工法すべての根拠となるため、現地調査が不可欠です。


⚖ 法令・条例の確認

許可なしでは設置できない?地域ごとの規制に注意

看板の設置には、国の法律および各自治体の条例に基づく制限があります。
特に「屋外広告物法」および「建築基準法」への対応は必須です。

◯ 主な確認ポイント

法令・条例 確認内容
屋外広告物法 看板の高さ・面積・設置位置・表示内容(営利か否か)などの制限
建築基準法 看板が「工作物」に該当する場合、構造計算や確認申請が必要
景観条例 地域によっては色や形、大きさに厳しい制限あり
道路法・河川法 道路上空や川沿いなど、公共用地への突き出し不可の場合あり

📌 地方自治体によってルールは異なるため、設置場所の自治体に事前確認が必須です。


🏗構造・安全性の確認

転倒・落下事故を防ぐための基礎設計が命

✅ 確認すべき構造要素

項目 確認内容
看板の大きさ・重量 支柱や壁面の耐荷重とのバランス
材質と耐候性 屋外使用なら風雨・紫外線・温度変化への耐性が必要
支柱基礎 地中構造や基礎コンクリートの強度設計が必要(自立看板)
落下防止措置 ボルト固定、ワイヤー、アンカーの使用方法など
風荷重計算 地域の風速基準(34〜38m/s)に基づく設計が必要な場合も

📌 設計段階で建築士や構造計算技術者と連携するケースもあり、プロの確認が重要です。


🖌 デザイン・視認性の確認

看板は「情報を伝える媒体」。見えるかどうかが成否を分ける

看板は広告物として、視認性とデザイン性のバランスが不可欠です。

✅ 事前に確認すべき視認性の要素

確認項目 内容
視認距離 歩行者 or 車両? → 文字サイズ・配色の基準が変わる
視認方向 正面/斜め/高所など、設置角度による見え方の違い
昼夜の見え方 内照式/外照式/照明なしで明瞭さが異なる
色のコントラスト 背景色との組み合わせで“読める・読めない”が決まる
情報量 一目で伝わる範囲に情報を絞ることが重要

📌 看板の目的(店舗名表示・誘導・PRなど)によって、必要な情報量やデザイン方向が変わります


📄 申請・書類関係の確認

「書類不足で設置できない」トラブルを回避するために

看板設置には、各種申請や届け出が必要となる場合があります。

✅ よくある必要書類

書類名 内容
屋外広告物申請書 自治体へ提出。設置位置・面積・構造の詳細記載
図面 平面図・立面図・構造図・文字デザイン等
構造計算書 高さ13m超、または面積10㎡超など大規模看板の場合
所有者の承諾書 建物の所有者が異なる場合に必要
道路使用許可 公道上の設置作業を行う場合(警察署へ申請)

📌 許可が下りるまで1〜3週間程度かかる自治体もあるため、早めの準備が大切です。


🏘 近隣への配慮と施工計画の確認

設置当日に「クレーム」で止まらないために

看板設置は高所作業や騒音・交通の一時的な遮断を伴うことがあります。

✅ 確認・準備すること

  • 近隣住民・店舗への事前説明・あいさつ

  • 作業中の安全管理(バリケード・誘導員の手配)

  • 施工時間帯(早朝・夜間作業は配慮が必要)

  • 車両通行止めや作業車両の駐車場所

  • 落下・飛散対策の計画と事前点検

📌 丁寧な近隣対応が、後々のトラブル防止・信頼獲得にも繋がります。


✅ 看板製作の“成功”は、工事前の確認で決まる

看板は「見せる」だけでなく、「守る・伝える・安心させる」役割を果たす装置です。

その製作には、技術・デザイン・法令・施工・人間関係と、さまざまな要素が絡みます。

だからこそ、着工前の事前確認が、成功と失敗を分ける分岐点になるのです。


📋 看板製作における事前確認チェックリスト(保存版)

分類 チェック内容
設置環境 立地条件・視認距離・通行状況
法令・条例 屋外広告物法・建築基準法・景観条例
構造・安全性 支柱設計・材質・風圧対策
デザイン・視認性 目的・ターゲット・照明有無・情報量
書類・許可関係 申請書・構造図・承諾書などの整備
施工・近隣配慮 工程表・交通整理・住民対応計画

 

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第9回看板製作雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社ハリケーンマスター、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~設計基準~

ということで、看板製作における設計基準を、「安全性」「法令」「デザイン」「施工環境」の視点から深く掘り下げてご紹介します。

 

安全・法律・効果を両立させる“プロの設計”とは何か

お店の顔、企業のシンボル、街の景観
看板(サイン)は、ただの表示物ではなく、情報伝達とブランディングを担う重要な装置です。

しかしながら、看板の製作には「見た目が良ければOK」ではなく、
構造的な安全性・法令遵守・視認性・耐久性など、専門的な設計基準を踏まえる必要があります。


✅ 看板設計の基本的な考え方

看板の設計では、以下のような要素を総合的に判断する必要があります

  1. 設置場所の環境(屋内/屋外/高所/地上)

  2. 看板の種類(自立式/壁面直付け/突き出し型/屋上設置など)

  3. 使用目的(店舗集客/企業案内/案内標識/広告)

  4. 視認距離・視認方向(歩行者・ドライバーなど)

  5. 構造強度・耐候性・安全性

📌 設計の善し悪しが「広告効果」と「公共安全」の両方に直結します。


🏗 構造的な設計基準(安全性・耐久性)

✅ 1. 耐風強度・構造計算

屋外看板は常に風雨・紫外線に晒されます。特に台風・突風時の落下事故防止は最重要課題です。

看板種別 計算基準風速(例)
屋外広告物(一般) 地域によって異なるが34~38m/s
高所看板(10m以上) 風圧力設計が必須(荷重試験対応)

📌 高さ・面積・形状により、構造計算書の提出が求められる自治体もあります


✅ 2. 支柱・アンカー・基礎の設計

自立看板や屋上看板では、基礎や支柱の構造設計が重要です。

  • 土台は地盤条件に応じた鉄筋コンクリート基礎を設計

  • 支柱は耐食性・曲げ応力・ねじり応力を考慮した鋼材選定

  • アンカー固定の際は引抜試験やケミカルアンカーの使用が必要

📌 建築基準法に基づく「工作物確認申請」の対象になるケースもあります。


⚖ 法令・条例に基づく設計基準

看板は「建築物等に設置される広告物」として、法律・自治体条例で規制されています。

✅ 遵守すべき主な法規

法令 内容
屋外広告物法 高さ・面積・表示内容・掲出区域の制限
建築基準法 高さ13m超または面積10㎡超→構造確認が必要
各自治体条例 色・点滅・設置方法・許可制限など細かく規定

📌 地域により「景観地区」「歴史的保存地区」では色やサイズに厳しい制限があります。


👀 視認性・情報伝達の設計基準(広告効果)

✅ 看板の視認性設計におけるチェックポイント

項目 基準の目安
文字サイズ 視認距離(m)×10〜15mmが目安
配色 背景と文字のコントラスト比(4.5:1以上推奨)
照明 内照式/外照式/間接照明など用途に応じた選定
視認方向 通行人・車両の進行方向に対する角度配置
情報量 ひと目で伝わる情報量(少なすぎず多すぎず)

📌 美しくても読めない・見えない看板は「広告としての価値がゼロ」です。
設計段階で「誰に、何を、どう見せたいか」を明確に定義することが成功の鍵。


🎨 デザインと材質の設計基準(ブランディング)

看板のデザインは企業の第一印象を左右する重要な要素
設計者とデザイナーが連携し、以下のような観点で設計を行います。

✅ 材質選定のポイント

素材 特徴
アルミ複合板 軽量・コスト◎・耐候性あり
ステンレス 高級感・耐食性◎
アクリル/ポリカ 発光・透過・内照看板に最適
木製 温かみのある印象/屋外は劣化対策必要
LED内照 夜間でも視認性抜群(省エネ対応)

📌 ロゴの再現性や耐候性、経年劣化の程度など、素材の選定はブランディングと維持費に影響します。


🧾 看板設計に関わる実務書類と申請手続き

設計段階で準備すべき主な書類

  • 設置図(平面・立面・断面)

  • 構造計算書(必要な場合)

  • 屋外広告物許可申請書

  • 安全対策計画書(高所作業ありの場合)

  • 近隣説明資料(大型・光源ありの場合)

📌 特に自治体によっては、許可が下りるまで数週間かかるケースもあるため、設計初期から申請を意識して動くことが大切です。


✅ 看板の設計は「建築×法律×広告」の融合技術

看板製作は単なる「物づくり」ではありません。
それは、“構造安全性”と“広告デザイン”と“法規制”を高度に融合させる専門職です。

適切な設計がなければ
✔ 落下事故やクレームのリスク
✔ 集客できない「見えない看板」
✔ 許可が下りず設置できない

そんなトラブルが簡単に起きてしまいます。

だからこそ、プロの設計者・看板業者は、見た目だけでなく、機能・安全・法令までをトータルで設計していく力が求められるのです。


📋 看板設計の総合チェックリスト

分野 チェック項目
安全 構造強度、風圧試験、施工方法の検討
法規 屋外広告物法、建築基準法、条例確認
デザイン 配色・ロゴ・視認距離・照明方式
視認性 通行方向、文字サイズ、情報量の最適化
材質 屋内/屋外、耐候性、質感、予算とのバランス
書類 設計図、構造計算書、各種申請書類の整備

 

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